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No.137(2022/10/21): 多重リース


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)


137回目の今回は企業における不正の一種で

ある多重リースについてお伝えします。



先日、以下のような記事がありました。



<リース契約詐欺事件 旧経営者ら2人に求刑>

2022/10/19 Yahoo!ニュース



要約すると・・・、



・虚偽の契約を結んで、リース会社から厨房

機器の売買代金およそ5600万円をだまし取っ

たとして、焼き鳥チェーンの元社長ら2人の

論告求刑公判が開かれた


・2人は新店舗に設置する厨房機器について、

すでに他の会社とリース契約を結んでいるに

もかかわらず、複数のリース会社と虚偽の契

約を結ぶ、いわゆる多重リース契約を行って

いた


・厨房機器の売買代金あわせて5600万円あま

りをだましとったとされている



と言うもの。




多重リース契約は、セールアンドリースバッ

ク取引を複数のリース会社と契約するもので

す。


通常のセールアンドリースバック取引の場合

には、自社の所有する資産をリース会社に売

却しつつ、


当該資産の使用は企業で継続し、その代わり

に当該資産の使用料をリース会社に支払うこ

ととなります。


不動産や車のような資産の場合、所有権を

リース会社に移すこととなりますが、


上記記事の厨房設備等のような資産について

は特段の所有権移転処理がなされないことが

一般的です。


そのため、例えば1つの厨房設備をリース会

社Aに1千万円で売却しつつ、リース会社B、C、

D、E、Fにも1千万円で売却するという契約を

してしまう取引が多重リース取引となります。


多重リース契約の結果、リース会社A~Fのそ

れぞれに1千万円で売却するため、


1千万円程度の価値の一つの厨房設備のみで、

合計で6千万円の資金を得ることが出来てし

まいます(もちろん詐欺行為です)。



このような多重リース取引を見抜く方法は無

いのでしょうか?


確実に見抜けるわけではありませんが、その

企業のビジネスに比して多額過ぎるリース料

を支払っている場合には注意が必要です。


すなわち、多重リースの場合には多額の資金

を得られる半面、上記の例の場合にはリース

料は6倍支払う必要が出てきます。


A社からF社のそれぞれにリース料を支払う必

要があるため、仮に本来100万円のリース料

であった場合には、6倍の600万円を支払う必

要が出てくるためです。



このように、多重リースは違法行為であり、

上記記事のように罪に問われます。


多重リースを行おうとする企業は資金繰りに

困っている場合に行う可能性が高いですが、


上述のように支払うリース料も多額となるた

め、経常的に資金繰りが上手く行っていない

企業にとっては、


資金ショートの延命措置をするだけの効果し

かなく、かつ罪に問われてしまうため、結果

としてはメリットが無いものなのと言えます。

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