No.135(2022/10/7): 2022年9月の日銀短観~微かな明るい兆し~

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部
統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。
(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる
メールマガジンの転載となります。)
135回目の今回は先週発表された2022年9月の
日銀短観についてお伝えします。
<大企業製造業の景況感、3期連続悪化 9月日銀短観>
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB296YD0Z20C22A9000000/
2022年10月3日 日経電子版
要約すると・・・、
・日銀が3日発表した9月の短観で、大企業製
造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前
回の6月調査から1ポイント悪化し、プラス8
となった
・資源高と円安を背景とした原材料コストの
増加が景況感を下押しし、3四半期連続で悪
化
・大企業非製造業は新型コロナウイルスの影
響が緩和したことから2四半期連続で改善し、
プラス14となった
というもの。
おさらいになりますが、日銀短観は以下のよ
うなものです。
①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3
か月ごとに実施しているアンケート調査
②調査項目は、
(1)「企業が自社の業況や経済環境の現
状・先行きについてどうみているか」などの
項目(判断項目)
(2)「売上高や収益、設備投資額といった
事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、
(3)物価見通し
(4)新卒者採用状況等々
③ ②(1)の「自社の業況」についての回答
から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi
on index)が最も注目されている
④「業況判断DI」は「自社の業況」につき
『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比
(%)を引き算した数値
⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな
るとマイナス方向に振れる。
⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな
いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。
短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に
景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞
き取る調査で、
対象が幅広く速報性も高いことから、景気の
現状や先行きを読む材料として注目されてい
るものです。
前回2022年7月1日発表の短観時点では、エネ
ルギーを中心とした資源高と円安の進行によ
る原材料コストの増加が、製造業の収益を悪
化させている一方、
非製造業では、3月下旬にまん防が解除され
たことで、対個人サービスや宿泊・飲食サー
ビスが改善していたため、
製造業は概ねマイナスで、非製造業がプラス
という特徴がありました。
今回も、前回に引き続き製造業が悪化し、非
製造業がプラスという点ではその特徴は継続
しています。
しかし、前回と異なる点として、円安が大幅
に進んだ結果、大企業製造業における今後の
先行きが改善しているという点が挙げられま
す。
物価高の警戒感もありますが、上記の点や、
新型コロナの影響が薄まってきた事による設
備投資計画が過去最高の伸びとなっている点、
及び、大企業を中心として利益計画の上方修
正がなされている点は、微かにですが、明るい兆
しが出てきているかもしれません。