No.134(2022/9/30): 優先株式を発行する理由


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)

134回目の今回は優先株式についてお伝えし

ます。

結論から申し上げますと、優先株式とは普通

株式と比較して優先的な権利が付与されてい

る株式の事を言います(そのままですね)

優先株式についてお伝えする前に、通常の株

式である普通株式の基本的な特徴についてお

さらいしましょう。

株式会社の株式を保有する株主には、主に3

つの権利があるという事は以前お伝えしまし

た。

3つの権利とは

(1)議決権

(2)利益配当請求権

(3)残余財産分配請求権

になります。

(1)議決権は株主総会に参加して議決に加わ

る権利であり、

(2)利益配当請求権は配当金などの利益の分

配を受け取る権利、

(3)残余財産分配請求権は会社の解散などに

際して会社に残った資産を分配して受け取る

権利

のことになります。

通常の株式である"普通株式"には上記の権利

が持ち株数に応じて平等に付与されています。

これに対して優先株式は、上記のような株主

の権利が普通株式よりも優先的に付与されて

います。

会社法においては普通株式と異なる種類の株

式(これを「種類株式」と言います。)が定

められており、

優先株式も種類株式の一種となります。

会社法で定められている種類株式は以下の9

つとなり、これらの点について普通株式と異

なる権利を付すことが出来ます。

① 剰余金の配当

② 残余財産の分配

③ 議決権制限株式

④ 譲渡制限

⑤ 転換請求権

⑥ 一斉(強制)転換条項

⑦ 全部取得条項

⑧ 拒否権条項

⑨ 役員選解任権

この中で、優先株式は例えば①普通株式より

も多く剰余金が配当される権利が付与された

り、

②普通株式よりも優先して残余財産の分配を

受けることが出来るなど、

①や②、⑤、⑥、⑧、⑨等の権利が優先的に

得られるような株式として設計されることが

多いものとなります。

優先株式を発行する理由は株主のニーズに合

った株式を発行することにより、より資金調

達を実行しやすくするという点があります。

例えば、配当や残余財産だけに興味があり、

経営に参加することには興味が無いような投

資家に対しては、

①や②の配当や残余財産を優先的に付与する

が、③の議決権は与えないというような株式

を発行することが出来ます。

この場合には、投資家にとってはより金銭的

リターンの大きい株式を取得することが出来

るというメリットがあり、

発行体である企業にとっては、発行先の新規

株主に議決権を行使されないので、

経営の決定権を維持したまま多額の資金調達

をすることが出来る、というメリットがあり

ます。

このように、優先株式は投資家と発行体企業

のそれぞれのニーズを満たすような設計を行

うことにより、

円滑かつ効果的な資金調達を行うために利用

されることが多いものとなっています。