No.124(2022/7/15): 逆取得とは


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)

124回目の今回は逆取得についてお伝えしま

す。

「逆取得」と聞いて、何のことかわかる方は

会計に詳しい方でしょう。

詳しくない方が聞いたら、なんのことやら想

像も出来ないかもしれません。

逆取得とは、M&A等の企業結合において定義

される言葉で、

『対価を交付した企業側が「取得企業」に該

当しない企業結合のこと』で、

対価を受け取った側が取得企業に該当し、対

価を交付した側が被取得企業に該当する場合

のことを言います。

事例でご説明すると・・・、

A社とB社がA社を存続会社、B社を消滅会社と

して合併する場合に、

存続会社であるA社の株式をB社株主に渡すこ

とになりますが、

その結果としてA社株主よりもB社株主の方が

合併後の会社(新A社とします)の議決権の

過半数を保有することになる場合

のことを言います。

このようなケースでは存続会社(新A社)の

支配権を消滅会社(B社)の株主が握ること

になりますので、

存続会社(旧A社)の大株主は新A社の支配権

を喪失することになります。

一般的な企業結合では、存続会社の株主が支

配権を維持することになりますが、一般的な

取得とは逆の実態となるため「逆取得」と呼

ばれます。

つまり、B社を取得すべくA社の株式をB社株

主に渡した結果としてA社株主は支配権を失

ってしまったのです。

では、なぜこのような企業結合が行われるの

でしょうか。

逆取得は一般的に以下のようなメリットがあ

ります。

①上場コストや期間を短縮出来る場合がある

②存続会社のネームバリューを使用できる場

合がある

③合併差損の回避

④繰越欠損金の控除

等です。

①については、非上場である大規模会社が、

上場を果たしている小規模会社を逆取得する

ことにより、小規模の上場会社に吸収合併さ

れることとなり、

同時に吸収合併された上場会社の支配権も獲

得出来るため、上場のためのコストや期間を

短縮することが出来るというものです。

②も①と似たようなメリットですが、ネーム

バリューのある小規模の会社をネームバリ

ューは無いが規模の大きい会社が逆取得する

ことにより、

比較的容易に自社のネームバリューを高める

事が出来る場合があります。

③は、消滅会社が債務超過であったり交付す

る株式価値よりも消滅会社の純資産が小さい

場合には、

通常の取得による合併では合併差損が発生し

ますが、逆取得の場合にはそれを回避するこ

とが出来ます。

さらに、④のように消滅会社に繰越欠損金が

ある場合には、それを利用して課税所得を減

らすことが出来ます。

このように、一般的には規模の大きい会社が

規模の小さい会社を取得するのが一般的です

が、

上記のようなメリットを享受するために、逆

取得という企業結合が行われる場合があるの

です