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No.123(2022/7/8): 2022年6月の日銀短観

DAIMON STAFF

更新日:2022年7月10日



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)


123回目の今回は先週発表された2022年6月の

日銀短観についてお伝えします。



<大企業製造業の景況感、2期連続悪化 6月日銀短観>

2022年7月1日 日経電子版



要約すると・・・、


・日銀が1日発表した6月の短観で、大企業製

造業の業況判断指数は前回から5ポイント悪

化のプラス9となり、2四半期連続で悪化


・原材料コストの高止まりと中国のロックダ

ウン(都市封鎖)による供給制約の強まりが

景況感を押し下げた


・大企業非製造業は新型コロナウイルスの感

染状況の落ち着きを背景に、2期ぶりに改善

しプラス13となった



というもの。



おさらいになりますが、日銀短観は以下のよ

うなものです。


①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3

か月ごとに実施しているアンケート調査


②調査項目は、


(1)「企業が自社の業況や経済環境の現

状・先行きについてどうみているか」などの

項目(判断項目)


(2)「売上高や収益、設備投資額といった

事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、


(3)物価見通し


(4)新卒者採用状況等々


③ ②(1)の「自社の業況」についての回答

から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi

on index)が最も注目されている


④「業況判断DI」は「自社の業況」につき

『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比

(%)を引き算した数値


⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな

るとマイナス方向に振れる。


⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな

いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。



短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に

景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞

き取る調査で、


対象が幅広く速報性も高いことから、景気の

現状や先行きを読む材料として注目されてい

るものです。






前回2022年4月1日発表の短観時点では、ロシ

アによるウクライナ進行後、初の日銀短観と

いうこともあり、


地政学リスクの高まりや資源価格の高騰で企

業マインドが急速に冷えこみ、


大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数

が7四半期ぶりに悪化していました。


今回も、前回に引き続き低下し、二期連続の

悪化となっています。




今回の短観の特徴としては、製造業は概ねマ

イナスで、非製造業がプラスという点にあり

ます。


エネルギーを中心とした資源高と円安の進行

による原材料コストの増加が、製造業の収益

を悪化させている一方、


非製造業では、3月下旬にまん防が解除され

たことで、対個人サービスや宿泊・飲食サー

ビスが改善したことがわかります。


今後の先行きは大企業では横這いですが、企

業の事業計画の前提となる2022年度の想定為

替レートは


全規模全産業で1ドル=118円96銭となってお

り、足元の1ドル=135円台との乖離が大きい

点は今後の指標にも影響を及ぼしそうです。


 

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