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DAIMON STAFF

No.114(2022/4/22): DESの会計処理

更新日:2022年4月30日


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)


114回目の今回はDESの会計処理についてお伝

えします。



そもそもDESとはどのようなものなのでしょ

うか。



会計に詳しい方なら


・デッド エクイティ スワップは聞いたこと

ある


とか


・借入を資本金に振り替える処理



・あの会社もDESったらしいよ



など、ご存知の方も多いかと思います。



しかし、会計と関わりの薄い方からすると


・全く聞いたことない


という方から


・それってなんデスか?


という方もいらっしゃるかもしれません。




DESとはデット・エクイティ・スワップ(Deb

t Equity Swap:DES)の略で、


ある会社に対して金銭債権を有している債権

者が、債務者への債権から債務者への

株式に振り替えることを言います(債権の株

式化)。


債務者側からは、借入金等の債務について、

債権者を株主とした資本金等に振り替える処

理のことを言います(債務の資本化)。




債務者からすると、一定の契約利率の利息支

払が必要な借入金に対して、


必ずしも配当をする必要が無い(一般的に借

入利率よりもコストの低い)資本金の方がコ

スト負担は減ることになります。


また、借入が減少して資本金が増加するので、

財務比率が改善し、新たな資金調達にも有利

に働く場合があります。


債権者側にとっては、受け取れる利息は減る

可能性が高いですが、


その後に債務者だった会社が成長した場合に

は、会社の企業価値が向上することとなるた

め、


当初の貸付額よりも高い金額で株式を売却出

来る可能性もあると言えます。



債務者側のデメリットとしては、債権者が株

主となるため、


金額によっては株主構成が大きく変わり、旧

債権者が経営に大きく関与することにより、

自由な経営が出来なくなる可能性があります。





なお、DESの会計処理としては、債務者側は

借入金等を資本金等へ振り替えるか(券面額

説)、


債務を減少させ、債務の時価評価額部分のみ

資本金等に振替を行い、差額を債務免除益と

する(評価額説)のどちらかとなります。


(税務上は評価額説となります)


そのため、一般的には債務の時価評価等の煩

雑な手続が不要な券面額説の処理を行う会社

が多いと言えます。



一方、債権者側の処理は債権者がDESにより

取得する株式は取得時の時価で計上し、


消滅した債権の帳簿価額と時価との差額を、

その事業年度の損益として計上することが明

確化されています。


(「デット・エクイティ・スワップの実行時に

おける債権者側の会計処理に関する実務上の

取扱い」より)




端的には、「DES=債務を資本金等に振り替

えるもの」と覚えておいて頂ければ大丈夫で

すが、


会計処理を行う際には、時価評価が必要な

部分があることを覚えておく必要があります。







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