No.101(2022/1/14): 東証再編 敢えてスタンダードへ移行する企業も


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。

101回目の今回も今週水曜日の日経新聞の一

面にも掲載された東証の市場再編についてお

伝えします。

<東証プライム、1841社上場 基準厳しく 新陳代謝狙う>

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220112&ng=DGKKZO79128100S2A110C2MM8000

2022年1月11日 日経新聞

要約すると・・・、

・東京証券取引所(3面きょうのことば)は1

1日、4月4日に実施する株式市場再編後の全

上場企業の所属先を公表した

・実質最上位の「プライム」には1841社が上

場する

・東証1部のうち8割強が移行し、プライム以

外に移る企業は2割弱にとどまった

・再編には上場基準を厳しくして新陳代謝を

促す狙いがある

・ただし、基準を満たさなくてもプライムに

上場できる例外規定を約300社が活用してお

り、活性化に向け課題を残した

というもの。

前回の今年の注目イベントでも東証の市場再

編について簡単にお伝えしました。

その際に、市場再編の目的は以下の3つの問

題を解決するためとお伝えしました。

① 東証1部の企業数が多すぎる

② 上場維持基準が緩い

③ ①~②の結果、東証1部上場企業の質の低

下が指摘されている

しかし、上記記事にもある通り東証1部の企

業のうち8割がプライム市場へ移行するとい

うことで、

①の問題点の解決にはまだまだ時間がかかる

と言えます。

ただし、プライム市場に残ることが、必ずし

も良いこととは限りません。

プライム市場に残るには、株主数、流通時価

総額、流通株式比率、流動性、ガバナンス等

の上場維持基準が現状より厳しくなり、

企業の負担はこれまで以上に大きくなります。

そのような中で東証1部からプライムではな

く、スタンダード市場へ移行する企業もあり

ます。

<上場会社による新市場区分の選択結果>

https://www.jpx.co.jp/equities/market-restructure/results/index.html

日本証券取引所グループ

有名どころでは、

仏壇・仏具大手の「はせがわ」、エバラ食品

工業、データベースシステム大手日本オラク

ル、新生銀行、アコム等があり、

その中には、基準を満たせない企業の他に、

敢えてスタンダード市場へ移行する企業もあ

ります。

1部からスタンダードへ移行する企業の移行

理由は主に以下のような理由のようです。

・英語での情報開示や気候変動対策の開示へ

のコスト負担を回避するため(プライムでは

スタンダードより毎年1~2千万円のコスト

増)

・長期保有目的の投資家を守るため(プライ

ム市場では一日あたり2千万円以上売買され

る必要あるため)

・親会社が65%以上の株式を保有しており、

親会社比率を下げるメリットが無い企業

など。

プライム市場は、海外からの投資家を呼び込

むことを目的として、英語での情報開示等、

上場基準を厳しくしているという面がありま

す。

そのため、グローバル展開を目指さない企業

にとっては、プライム市場に移行するメリッ

トはあまり無く、

むしろ、スタンダードへ移行することが企業

価値を高めることになり、その判断が評価さ

れるケースもあると考えられます。