こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部
統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。
101回目の今回も今週水曜日の日経新聞の一
面にも掲載された東証の市場再編についてお
伝えします。
<東証プライム、1841社上場 基準厳しく 新陳代謝狙う>
2022年1月11日 日経新聞
要約すると・・・、
・東京証券取引所(3面きょうのことば)は1
1日、4月4日に実施する株式市場再編後の全
上場企業の所属先を公表した
・実質最上位の「プライム」には1841社が上
場する
・東証1部のうち8割強が移行し、プライム以
外に移る企業は2割弱にとどまった
・再編には上場基準を厳しくして新陳代謝を
促す狙いがある
・ただし、基準を満たさなくてもプライムに
上場できる例外規定を約300社が活用してお
り、活性化に向け課題を残した
というもの。
前回の今年の注目イベントでも東証の市場再
編について簡単にお伝えしました。
その際に、市場再編の目的は以下の3つの問
題を解決するためとお伝えしました。
① 東証1部の企業数が多すぎる
② 上場維持基準が緩い
③ ①~②の結果、東証1部上場企業の質の低
下が指摘されている
しかし、上記記事にもある通り東証1部の企
業のうち8割がプライム市場へ移行するとい
うことで、
①の問題点の解決にはまだまだ時間がかかる
と言えます。
ただし、プライム市場に残ることが、必ずし
も良いこととは限りません。
プライム市場に残るには、株主数、流通時価
総額、流通株式比率、流動性、ガバナンス等
の上場維持基準が現状より厳しくなり、
企業の負担はこれまで以上に大きくなります。
そのような中で東証1部からプライムではな
く、スタンダード市場へ移行する企業もあり
ます。
<上場会社による新市場区分の選択結果>
日本証券取引所グループ
有名どころでは、
仏壇・仏具大手の「はせがわ」、エバラ食品
工業、データベースシステム大手日本オラク
ル、新生銀行、アコム等があり、
その中には、基準を満たせない企業の他に、
敢えてスタンダード市場へ移行する企業もあ
ります。
1部からスタンダードへ移行する企業の移行
理由は主に以下のような理由のようです。
・英語での情報開示や気候変動対策の開示へ
のコスト負担を回避するため(プライムでは
スタンダードより毎年1~2千万円のコスト
増)
・長期保有目的の投資家を守るため(プライ
ム市場では一日あたり2千万円以上売買され
る必要あるため)
・親会社が65%以上の株式を保有しており、
親会社比率を下げるメリットが無い企業
など。
プライム市場は、海外からの投資家を呼び込
むことを目的として、英語での情報開示等、
上場基準を厳しくしているという面がありま
す。
そのため、グローバル展開を目指さない企業
にとっては、プライム市場に移行するメリッ
トはあまり無く、
むしろ、スタンダードへ移行することが企業
価値を高めることになり、その判断が評価さ
れるケースもあると考えられます。
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