2021年6月の日銀短観

更新日:2021年7月18日



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

76回目の今回は先週発表された日銀短観につ

いてお伝えします。

<景況感、非製造業5期ぶりプラス 6月日銀短観>

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB298LC0Z20C21A6000000/

2021年7月1日 日経電子版

要約すると・・・、

・6月の日銀短観では、大企業非製造業の景

況感を示す業況判断指数(DI)はプラス1と

前回の3月調査から2ポイント改善した

・大企業非製造業がプラス圏に浮上するのは

2020年3月調査以来5四半期ぶり

・大企業製造業の同DIはプラス14と2年半ぶ

りの高水準

・新型コロナウイルスのワクチン接種の進展

などで幅広い業種の景況感が上向いた

というもの。

おさらいになりますが、日銀短観は以下のよ

うなものです。

①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3

か月ごとに実施しているアンケート調査

②調査項目は、

(1)「企業が自社の業況や経済環境の現

状・先行きについてどうみているか」などの

項目(判断項目)

(2)「売上高や収益、設備投資額といった

事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、

(3)物価見通し

(4)新卒者採用状況等々

③ ②(1)の「自社の業況」についての回答

から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi

on index)が最も注目されている

④「業況判断DI」は「自社の業況」につき

『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比

(%)を引き算した数値

⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな

るとマイナス方向に振れる。

⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな

いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。

短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に

景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞

き取る調査で、

対象が幅広く速報性も高いことから、景気の

現状や先行きを読む材料として注目されてい

るものです。

前回4月の短観では、先に回復をしていた米

中経済からの需要や、コロナの影響で手控え

ていた設備投資が徐々に再開された一方で、

人同士の接触が想定される非製造業について

は、本格回復には程遠い状況であり、

日本のワクチン接種の遅れにより、製造業と

非製造業との景況感が別れるK字化が如実に

現れているという点をお伝えしました。

その後の3カ月で、若干ですがワクチン接種

が進み、今後のワクチン接種のスケジュール

も見えてきたことで、

今回の非製造業の景況感が5四半期ぶりに上

昇したことに繋がったと言えます。

そのため、今後ワクチン接種が進み、コロナ

に対する不安が解消されればK字化は解消さ

れると考えられます。

ただ、東京都の緊急事態宣言の再発令が決定

されたことや、感染者の減少が進んでいない

事もあり、

K字化の解消にはまだ時間がかかるのではと

考えられます。

もう一つ注目するべき点としては、製造業の

すべての業種で仕入れ価格の上昇傾向がみら

れるという点です。

国際商品価格の高騰で金属や木材などの原材

料価格が高くなり、仕入れコストが増加して

いるのがその要因です。

米国や中国の景気回復を受けた銅や木材など

原材料価格の上昇や、半導体不足等が影響し

ていると考えられます。

製品への価格転嫁が十分にできなければ企業

収益を圧迫する可能性があり、

せっかく上向いてきた景況感が再び下落する

可能性も出てきました。