こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
85回目の今回は、税効果会計についてお伝え
します。
税効果会計と聞いて、皆さんはどのようなこ
とを思い浮かべますでしょうか?
・数年前までは新聞でよく見たけど、最近は
あまり見ないなぁ
とか、
・税効果会計を適用したら繰延税金資産が計
上される!
とか、
・うちの会社は上場してないから関係ない!
とか、
・そんなの常識でしょ。完全に理解してい
る!
など、所属している企業や環境によりまちま
ちかと思います。
今回、紙幅の関係でかなり単純化してお伝え
しますが、一言で言えば税効果会計とは
「企業会計と税法に基づく会計(以下、税務
会計とします)とのズレを企業会計に反映さ
せるための会計処理」
と言えます。
そもそもですが、企業会計と税務会計に違い
があることをご存知でない方もいらっしゃる
かもしれません。
企業会計は企業会計原則に基づく会計であり、
上場会社や会社法の大会社において適用しな
ければならない会計のルールの事を言います。
(会社法上の大会社とは資本金5億円以上、
負債の額が200億円以上の会社となります)
一方で、税務会計は、税務申告を行う上で適
用しなければならない税法上の会計ルールと
なります。
これらの二つの会計ルールは、大まかに見れ
ばほとんど同じなのですが、細かい点でルー
ルに違いが見られます。
両者にルールの違いが存在する理由は、
企業会計は企業の活動を適切に財務数値に表
すことを目的としているのに対し、
税務会計は、企業活動から納税額の基準とな
る課税所得をいかに客観的に計算するかを目
的としている
という目的の違いがあるから、と言えます。
そのため、上場企業や会社法上の大会社は、
企業の活動状況を適切に財務数値に表現し、
それを公開したり提出する義務があるため、
公開前に監査法人や公認会計士の監査を受け
る必要があり、企業会計のルールに沿ってい
るか?という視点で監査が行われます。
一方で、税務申告においては、税法ルールに
沿って課税標準の計算が行われている必要が
あります。
そのため、上場会社や会社法上の大会社の会
計帳簿は、企業会計のルールに沿って作成さ
れ、
その結果計算された当期純利益に税法ルール
への調整額を加減算して課税標準の金額が計
算されることが一般的です。
このように、異なる目的で設定された会計
ルールに基づいて作成された財務数値の差異
を
企業会計の財務数値上に反映することが税効
果会計となります。
今回の説明のみでは少々わかりづらいかと思
いますので、次回、事例をまじえてお伝えし
ようと思います。
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