こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
57回目の今回は、このブログでも何度かお
伝えしている東証再編に関する記事について
お伝えします。
日経ヴェリタスに以下のような記事がありま
した。
<東証再編が迫る令和の企業変革>
2021年2月14日 日経ヴェリタス
リンク先は会員のみが閲覧可能のため、要約
すると・・・
・東京証券取引所の上場市場の再編作業が20
21年に本格化し、現在の4市場から3市場体制
に移行することにより各市場の性格を明確に
する
・既存の企業は各市場の特性を勘案して上場
市場を選ぶことになり、その選択次第では株
価に影響することもあり得る
・一部の東証1部の会社が直面するのが、実
質的な最上位市場となるプライムの上場基準
のひとつ「流通株式比率35%」という条件
・東証はさらに改革に踏み込み、流通株式の
定義自体にメスを入れた
・これまでは保有比率が10%に満たない株式
は流通株式と認めていたが、政策保有株式は
10%未満であっても非流通株式と認定
・上記について、現在の東証1部上場企業の
うち約70社が流通株式比率35%の条件を満た
さない可能性があることが分かった
・プライム市場では、流通株ベースの時価総
額100億円以上という上場基準も導入される
・このため流通株比率が35%以上あっても、
流通時価総額の面で基準に達しない銘柄も多
数出てくる可能性が高い
・現時点で東証1部の3割にあたる約600銘柄
がこれらの条件に抵触するとみられている
というもの。
要点としては、プライム市場に残るための条
件として以下の点が追加されたということで
す。
①流通株式比率35%以上
(政策保有株式は10%未満であっても非流通
株式)
②流通株ベースの時価総額100億円以上
①については35%の流通性を求めることで、
重要な事項を決める特別決議に必要な議決権
(3分の2以上)を
固定的な株主が握れないようにするのが目的
となります。
これにより、多様な株主の意見が経営に反映
されやすくなり、経営への規律が働きやすく
なるという狙いです。
②については、プライム市場をグローバル企
業向けの市場とするために、一定以上の企業
価値を有する企業とするためのものになりま
す。
現在の東証1部には、流通比率も低く、時価
総額もそれほど高くない企業が多く存在する
ため(記事の試算によると600社!)、
プライム市場に残るためには、流通株を増や
すか時価総額を増やすか、または両方を実施
する必要が出てきます。
流通株を増やすには、非流通株を売却等する
必要があるため、株価下押し圧力になります。
また、時価総額を増やすには思い切った成長
戦略の策定や、増配、株主優待の強化などを
実施する必要があるでしょう。
プライム市場に残れなければTOPIXからも外
されることになるため、これも株価下押し圧
力となり、企業にとっては非常に大きな問題
です。
そして、投資家にとっても、株式の流通性や
時価総額の水準、株主構成などをこれまで以
上に慎重に吟味し、
企業の行動を合理的に予測することが非常に
重要となってくると言えます。
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