日本企業が国際競争力を取り戻すための施策



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

82回目の今回は、8月10日に内閣府から公開

された興味深い報告書についてお伝えします。

<プライム市場時代の新しい企業組織の創出に向けて

~生え抜き主義からダイバーシティ登用主義への変革~>

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/PJT/houkokusho.pdf

2021年8月10日 内閣府 企業組織の変革に関する研究会

要約すると・・・、

・日本の企業の経営者は以下の3つの特徴が

あり、これらの特徴により日本企業の国際競

争力が衰えている

①日本のCEO(最高経営責任者)は、「生え

抜き」比率が突出して高く、一度でも転職す

ると、ほぼトップになれない

②日本では大企業トップの多くが、過去に経

営者としての経験を持たずにいきなり経営者

となる

③日本企業のトップは、「オトコ」「高齢

者」「ニッポン人」の3拍子がそろっている

・上記①~③を克服するために、以下の施策

が必要

(1)女性役員、及び外国人役員を増加させる

(2)「CxO」(Chief x Officer)制度を導入

し取締役会と経営陣を専門化させる

(3)(1)~(2)の役員の多様化と専門化を進めた

うえで取締役会をスリム化する

・上記を実現するために、社長の指名は内部

の論理ではなく、独立社外取締役を中心に構

成される指名委員会が行うべき

というもの。

この報告書は

・夏野剛 ドワンゴ社長(56)、

・冨山和彦 経営共創基盤グループ会長(6

1)

・米良はるか READYFOR社長(33)

・小泉文明 メルカリ会長(41)

・間下直晃 ブイキューブ社長(44)

・大湾秀雄 早稲田大学政治経済学術院教授

(57)

の6名の著名な経営者や学者がメンバーとな

っています。

特に夏野氏や冨山氏は旧態依然とした日本経

営の改革をしてきたことで有名かと思います。

日本経営の3つの特徴を見てみると、いかに

も日本らしい理由が見えてくるかと思います。

つまり、経営の能力が高い人物が経営者とし

て選ばれているのではなく、

社内政治に長けた人物が経営者となっている、

と言うことが言えると思います。

それが理由で

①「生え抜き」比率が突出して高く、一度で

も転職すると、ほぼトップになれない

②過去に他社等で経営者としての経験を持た

③「オトコ」「高齢者」「ニッポン人」の3

拍子がそろっている

という特徴につながるのだと考えられます。

①生え抜き比率は西欧諸国が76%、米国・カ

ナダが79%、ブラジル・ロシア・インドが79

%なのに対して、日本は97%

②過去に経営経験がある日本の経営者は40%

に満たず、

③経営者の日本人比率は99.0%と圧倒的な比

率となっています。

社内政治に長けている人物が経営に長けてい

るとは限らないため、

現状多くの日本企業が採用している取締役会

で経営者の候補者を決定し、株主総会で追認

する方法ではなく、

独立社外取締役により、経営に長けた人物を

指名する指名委員会の設置を強く推奨してい

ます。

この報告書は内閣府から公表されたものであ

り、題名に「プライム市場時代の」とある通

り、

2022年4月からの東証の市場再編を意識した

報告になると考えられます。

そのため、今後のコーポレートガバナンス

コードに上記のような考え方が反映されてい

く可能性も高いのではと考えられます。