性悪説に立ったコンプライアンス指導

更新日:2021年9月17日



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

78回目の今回は、以前も不正についてお伝え

した日本郵政について興味深い記事がありま

したのでご紹介します。

<現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】>

https://diamond.jp/articles/-/277458

2021.7.26 Diamond Online

要約すると・・・、

・郵便局長・局員による詐欺・横領やかんぽ

生命の不正販売など不祥事が多発しており、

経営陣は信頼の回復に躍起になっている

・日本郵政の社員40万人に向けられたコンプ

ライアンス指導の「内部マニュアル」を入手

・それによれば、世間の常識とかけ離れた

「コンプライアンス指導」がなされている実

態が明らかに

・コンプライアンス指導のマニュアルは経営

陣が社員を全く信用していない“性悪説”に

立ってマニュアルが作成されており、

・世間の常識とかけ離れた「コンプライアン

ス指導」がなされている実態が明らかに

というもの。

上記記事においては、コンプライアンス指導

のマニュアルが性悪説に立ったものであり、

世間の常識とかけ離れている、とあり

日本郵政のコンプライアンス指導マニュアル

について批判的な記事となっています。

しかし、不正が起こる仕組みを理解すれば、

性悪説に立ったマニュアルが特に異常なもの

では無いことがわかります。

以前もお伝えしましたが、不正の「動機」、

「機会」、「姿勢(正当性)」という不正の

トライアングルが揃った場合には、

いつ不正が起こってもおかしくはなく、性善

説に立ったマニュアルでは不正は防止出来な

いと考えられます。

日本郵政のマニュアルが性悪説に立っており、

その点においては特に問題は無いと考えられ

ます。

ただし、記事を読むと性悪説に立った云々よ

りも、マニュアルの内容が脅しのようになっ

ているという点が非常に興味深いです。

例えば・・・、

・郵便局内で不正が起こると委託元会社の信

用等にも大きく影響を与えるため、1件あた

り1億円の損害が発生する

・不正等により懲戒解雇になると平均的な退

職金である2,300万円がゼロになる

というもの等、不正をすることによりどれだ

け組織への損害が出るのか、また個人として

もデメリットが大きい点が記載されています。

確かに、上記のような記載は露骨と言えば露

骨ですが、不正をすることにより得られるメ

リット(横領等で手に入れる金額)に

不正発覚によるデメリットを考慮させるもの

となるため、

不正のトライアングルの1つである不正の

「動機」を薄める効果は大きくあると考えら

れます。

特に不正が横行している日本郵政において本

気で不正を無くすためには、このくらいの事

を記載する必要はあると考えられます。