こんにちは
大門綜合スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
35回目の今回も、企業における新型コロナウ
イルス感染症対策で、にわかに注目されてき
ている電子契約についてお伝えします。
電子契約については、今週の日経にも記事が
あり、5年間で300万時間(!)の削減や、契
約書作成業務の95%を削減したとのことです。
<富士ゼロックス、電子契約効果で業務300万時間削減>
2020/9/15 日経電子版
その2の今回は、このような電子契約のメリッ
トについてお伝えします。
前回は・・・、
・電子契約の有効性について
・契約は保証契約や消費賃貸契約、宅地建物
売買等媒介契約等の特定の契約以外は、書面
ではなく、口頭でも契約は可能
・そのため、それらの特定の契約以外であれ
ば電子契約も可能
ということをお伝えしました。
今回は電子契約のメリットについてです。
おそらく、なんとなくどんなメリットがある
かは想像がつくかと思います。
・「押印がいらないから楽になるかな~」
とか
・「紙がいらないから保管コストが下がるか
な~?」
などが思い浮かべられるかと思います。
結論から申し上げますと、その通りです。(^
-^;
電子契約による主なメリットは
①契約書面作成の手間削減
②印紙代削減
③保管費用等の削減
の3つとなります。
予想通りのメリットですが、少し細かく見て
いくと、想像以上にメリットがあることがわ
かります。
では、一つ一つ見ていきましょう。
<①契約書面作成の手間削減>
通常、二当事者間で契約書面を締結する場合
には、契約書を紙にプリントアウトして2通
作成し、
記名押印の上で、契約相手方に送付、契約相
手方が記名押印の上、1通を返送という手続
が必要となります。
このやり取りをするだけでも、最低でも2~
3日はかかるでしょう。
さらに、記名押印作業は、会社内でも押印手
続に時間がかかる場合(押印者が海外出張し
ていたらもう大変です・・・)も多々あり、
契約書の内容が決まった後でも、押印作業が
完了するまでに通常最低でも1週間は見てお
く必要があるかと思います。
これが電子契約書であれば、メールやWebを
通して実施可能ですので、押印者が出張中で
も容易に契約締結が可能となります。
<②印紙代削減>
ご存知の通り、契約書面では一定の類型につ
いては印紙税が課税されます。
もっとも、印紙税が課税されるのは課税「文
書」を作成した場合ですので、電子契約で締
結すれば印紙税は課税されません。
契約金額によって、印紙税の額は変わってき
ますので、契約額の大きい会社によってはか
なりのメリットがあると考えられます。
<③保管費用等の削減>
多くの会社では、締結後の契約書を保管する
ために、押印済みの契約書をファイルに綴じ
たり、紙からPDFへ変換して保管しています。
ですが、ご理解の通り、電子契約にすれば紙
の保管場所もPDFへの変換作業も不要となり
ます。
また、電子データにすれば検索も容易となる
ため、作業効率も書面と比較して格段に上が
るといえるでしょう。
このように、電子契約にすることで、想像よ
りも時間や手間、費用の削減が可能となるこ
とがわかります。
しかし、日本には役所が判子文化であること
や、前述のように法律で書面の契約書にする
必要がある契約が残っており、
完全に電子契約となる日までには、少々時間
がかかると予想されます。
それでも、可能な限り電子契約とすることで、
上記のようなメリットを享受してはいかがで
しょうか。
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