top of page

No.196(2024/11/15):上場企業における「継続企業の前提に関する注記(GC注記)」および「継続企業に関する重要事象」の最新動向

DAIMON STAFF

更新日:2024年12月16日




こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから)


第196回の今回は、上場企業における「継続

企業の前提に関する注記(GC注記)」および

「継続企業に関する重要事象」の最新動向に

ついてご紹介します。


GC注記・重要事象の現状


東京商工リサーチによると2024年9月中間決

算を発表した3月期決算の上場企業約2,300社

のうち、決算短信で「継続企業の前提に関す

る注記(GC注記)」を記載したのは23社(前

年同期24社)でした。また、GC注記に至らな

いものの、事業継続に重要な疑義を生じさせ

る事象がある場合に記載される「継続企業に

関する重要事象」は44社(前年同期53社)と

報告されています。


これらを合わせた67社は、コロナ禍以降の

ピークであった2022年3月期本決算(94社)

と比較すると約3割減少しており、企業の業

績回復傾向が見られるものの、未だ注意が必

要な状況が続いています。




業績不振が主な要因


GC注記・重要事象を記載した67社のうち、約

76%にあたる51社が「本業不振」を理由とし

ています。これは、売上減少や採算性の低迷

によって赤字経営が常態化している企業が依

然として多いことを示しています。


その他の主な要因としては、「資金繰り悪

化・調達難」を理由とした企業が11社(約16

%)、「借入過多・財務悪化」が10社(約15

%)と報告されています。これらは、いずれ

も企業の収益構造や財務体質に課題があるこ

とを反映しています。




業種別・上場区分別の状況


業種別では、製造業が29社(約43%)と最多

で、次いで小売業が11社(約16%)、サービ

ス業と情報・通信業が各9社(各約13%)とな

っています。特に製造業では、中堅・新興の

メーカーが多く含まれており、競争環境の変

化や資金繰りに課題を抱えていることがうか

がえます。


上場区分別では、東証スタンダードが44社

(約66%)と大半を占め、次いで東証グロー

スが17社(約25%)、東証プライムが4社(約

6%)と続いています。特に、規模の小さい中

堅企業が多いスタンダード市場の企業におい

て、課題が顕著に現れています。




GC注記や継続企業に関する重要事象の記載企

業数は減少傾向にありますが、それでも一定

数の企業が本業の不振や資金繰りの悪化など

を理由に、事業継続への疑義が指摘されてい

ます。特に中堅企業や新興企業では、経営環

境の変化や資金調達環境の悪化が直撃し、事

業運営に厳しい状況が続いています。


このような状況下で、GC注記や重要事象の記

載は、企業の信用力や経営の信頼性に影響を

与え、さらなる課題を引き起こす可能性があ

ります。引き続き、企業の動向や対応策につ

いて注視していく必要があるでしょう。


それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

Comments


bottom of page