サステナブルファイナンスと今後の企業への影響

更新日:2021年7月18日



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

75回目の今回は前回と繋がる部分があります

が、サステナブルファイナンスについてお伝

えします。

前回お伝えした、SDGsやESGと並んで使われ

る言葉としてサステナブルファイナンスとい

う言葉があります。

サステナブルファイナンスは「Sustainable

Finance」:「持続可能な社会の実現のため

の金融」と訳せますが、

一般的には金融機関が企業に投融資をする際

に、自己資本利益率(ROE)などの財務的要

因だけでなく、

非財務的要因であるESG等も考慮して検討を

行うというものです。

一般的に、財務指標が良い企業であっても、

非財務要因に問題があれば、

財務指標には見えない企業価値を毀損するネ

ガティブな要素があると言えます。

例えば、エネルギー関連企業の場合、好景気

時にはエネルギー消費が順調となり、高収益

となることが期待されます。

しかし、資源価格の高騰や地政学リスクの発

現、化石化燃料への規制等によりエネルギー

資源の利用に影響が出れば、

収益は悪化し、投融資する金融機関も不良債

権リスクに直面します。

このようにサステナブルファイナンスは、財

務指標だけではなく、

財務指標以外の環境要因や社会的な要因を把

握・評価すべきという意味で非財務金融とも

呼ばれます。

このサステナブルファイナンスの推進に向け

た諸施策について、有識者による検討が金融

庁の主導のもとなされており、

先月、その報告書が公表されました。

<サステナブルファイナンスの推進に向けた諸施策について>

https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210618-2.html

令和3年6月18日 金融庁

こちらの報告書を要約すると、

①サステナブルファイナンスは、民間セク

ターが主体的に取り組むとともに、政策的に

も推進すべき

②金融受託者である金融機関が受託者責任を

果たす上で、ESG要素を考慮することが望ま

しい

③比較可能で整合性のとれたサステナビリテ

ィ報告基準の策定に向け、日本としてIFRS

財団における基準策定に積極的に参画すべき

④コーポレトガバナンス ・コードの改訂を

踏まえ、気候変動開示の質と量の充実を促す

と共に、国際的な動向を注視しながら検討を

継続的に進めていくことが重要

⑤金融庁において、ESG評価・データ提供機

関に期待される行動規範のあり方等について

、議論を進めることを期待

⑥諸外国における取引所の取り組み例を踏ま

え、グリーンボンド等の情報が得られる環境

整備やESG関連債の適格性を客観的に認証す

る枠組みの構築を期待

というもの。

上記から読み取れる今後の企業に関連する動

きとしては、

①、②より、民間企業、特に金融機関が主体

的にサステナブルファイナンスに取り組むべ

きという提言であり、

③~⑤より、コーポレートガバナンスコード

のような行動指針が金融庁主導によって策定

されるであろうこと、

及び、サステナビリティ報告書の提出が企業

に求められるようになるであろうことが想定

されます(現在は任意)。

このように、今後は企業の財務指標だけでは

なく、非財務情報に関する報告書も公表する

必要が出てくると想定されるため、

ESG等の非財務情報もより考慮した、透明性

の高い経営が企業に求められてくると考えら

れます。