こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
69回目の今回は、日本の今後の不動産市況につ
いての記事がありましたのでご紹介します。
<「日本人はオフィスに帰る」外資不動産ファンドCEOの確信>
2021.4.19 日経ビジネス
要約すると・・・、
・オフィス活用はその不動産が存在する国・
地域や属する社会によって異なる
・ビジネス文化を相対的に考えれば、日本企
業は社員が一緒のオフィスで働くことを非常
に重視している
・コロナ禍を経ても定期的にオフィスに通勤
し、できるだけ自宅ではなく職場で仕事をし
たいと考える人が多い都市が日本の東京
・上記より、日本のオフィス市場は他国の市
場と比較しても安定した利用があり、コロナ
後により早く需要が回復すると考えられる
・コロナ後に本社ビルを売却したケースもあ
るが、単にリモートワークを理由として不動
産を売却している訳ではなく、
本社を所有するより、資金をビジネスに投資
するという選択で、より高い自己資本利益率
(ROE)が達成できるという要因が大きい
・低金利と不動産投資のリターンの安定性、
インフレへの警戒により、投資先として日本
の不動産は非常に有望な資産
・不動産への投資を選好する投資家は今後さ
らに増えると考えられる
というもの。
この記事はカナダのベントール・グリーン
オーク(BGO)のCEOであるサニー・カルシ
(Sonny Kalsi)氏へのインタビューです。
BGOについては昨年2020年10月16日のブ
ログでもお伝えしましたが、今後2~3年で日本
の不動産に最大1兆円を投じる
との発表があり、実際に音楽・芸能大手のエ
イベックスの南青山本社ビルや、大手製薬会
社の本社ビルを購入しています。
また、サニー氏はモルガンスタンレーの不動
産投資事業のグローバル共同責任者として日
本でも7年間暮らしており、
日本・アジアの不動産市場に非常に詳しい人
物です。
コロナ禍になって、オフィスを含む不動産市
況の悪化が危ぶまれていましたが、
実際にはマンションを含め、市況は良好とな
っていると言われます。
2013年頃からのアベノミクスによる都心部の
不動産市況の上昇はコロナ禍の現在でも高止
まりしており、
業界関係者の中にはサニー氏と同様の理由で
今後さらに上昇すると考えている人も多い状
況です(都心部の不動産に限ります)。
実際に、海外からの投資は増加しているよう
です。
<コロナ禍のオフィス不動産、海外勢が食指07年以来の高シェア>
2021年3月18日 Reuter
<コロナ禍で再評価される日本の不動産投資市場:都市別投資額では東京初の1位に>
2020年 10月 16日 JLL
一方で、不動産の種類によっては異なる一面
も見えてきています。
企業が保有する不動産について、減損損失の
計上の検討が必要ですが、
2021年3月決算については、5月半ばに短信発
表がほぼ終了し、既に減損損失の検討及び監
査法人の監査は概ね終了してます。
結果を見ると、ホテルや飲食店関連の不動産
についての減損損失が多いように見受けられ
ます。
海外マネーと言えども、ホテルや飲食店関連
にはまだ先が見通せず、投資を躊躇している
状況なのでしょう。
しかし、オフィスやマンションでの減損損失
はそこまで多くなく、
これも世界的な緩和マネーが日本の不動産市
況に流れてきていることが要因の一つと考え
られます。
コロナ禍からの回復のK字化が、不動産市況
にも上記のように大きく表れて来ていると考
えられます。
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